『回る回る運命の輪回る――僕と新米運命工作員』 ネタバレ気味のあらすじ

有名パティシエを父親に持つ野島浩平は、お菓子作りが得意なものの、勉強もスポーツも平均以下の高校生。

平凡な日常を過ごす浩平は、ある日、コンビニが爆発する事故を目撃、さらに現場にいたノアと名乗る美少女に銃撃される。

「ほんの少し先の出来事を予知できる」という能力によってなんとかその場を切り抜けた浩平に、ノアは自分が運命を正しく管理する組織〈ソサエティ〉の工作員だということ、そして浩平が運命の特異点である《イレギュラ》であることを告げる。運命に影響を与えないために、浩平を監視しなければならないと宣言するノア。

隣に住む幼馴染み、春野ちはるに制服を借り、浩平の通う高校に出入りするようになったノアは日本の高校生活と、浩平が作るお菓子を満喫する。

そんな中、浩平はもうひとりの幼馴染みである岩田優と再会。小学生の頃に仲良くしていた浩平と岩田くんだったが、ある出来事をきっかけに、今では疎遠になっていた。ちはるやノアの協力で誤解が解け、再び友情を取り戻す浩平と岩田くん。

運命の特異点であるために、様々なトラブルに見舞われながらも、それなりに充実した日々を送る浩平の前に現れたのは目下、プロ野球選手との不倫を騒がれているグラビアアイドルの桜あかね。実はソサエティの幹部である彼女は浩平に、運命を絶対視するソサエティ内の急進派、〈宿命派〉と、その殺し屋、リーの存在、リーが浩平を狙っていることを伝える。

リーの動きを抑えるために、姿を消すノア。無力感に苛まれる浩平だったが、ちはるや岩田くんの助力でノアを救出、リーと対決する。

未来視の能力と機転によってリーを撃退することに成功。ノアは大怪我を負うがその傷も癒え、再び浩平の家に帰ってくるのだった。

・この物語に登場するお菓子

〈マカロン〉……ノアが初めて食べた浩平のお菓子。いつも澄ました顔をしているノアが、「またたびを与えられた猫のような」顔になった。

〈エクレア〉……皆様ご存知、細長いシュー生地にカスタードクリームを詰めたお菓子。

〈ごくごく普通のショートケーキ〉……ちはるの誕生日に浩平が制作。三層重ねでたっぷりバターのスポンジで「ごくごく普通」を表現。

〈クレームランベルセ〉……フランス語で「逆さまのクリーム」を意味する、いわゆるプリン。最初にカラメルを流し込むため、ひっくり返して開けてみないと上手くできたかどうか分からないことが名前の由来。浩平が子供の頃からの得意なお菓子で、浩平の父のレシピでは、添えるホイップにラム酒を使用する。

                                 つづく

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