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『回る回る運命の輪回る3 君と僕と、未来の世界』44話(最終話)
そして、月日が流れた。 春がやって来た。風は少しほこりっぽくてまだ冷たさを残しているけれど、日射しは暖かい。ウ…
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『回る回る運命の輪回る3 君と僕と、未来の世界』43話
英語と日本語で流れるアナウンス、カートを引く音、あちこちから聞こえる声。前途を祝福するものもあれば、別れを惜し…
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『回る回る運命の輪回る3 君と僕と、未来の世界』42話
僕はただ、ぼんやりと、紙ナプキンの文字を見つめていた。それはまちがいなく、ノアちゃんの字だった。行っちゃったん…
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『回る回る運命の輪回る3 君と僕と、未来の世界』41話
僕は台所に駆け込んで、冷蔵庫や戸棚から、ありったけの材料を取り出した。鍋をいくつもコンロに掛けて、お湯を沸かし…
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『回る回る運命の輪回る3 君と僕と、未来の世界』40話
その後三日間、僕は意識を失っていたらしい。目覚めたのは病院で、またしても白い天井と蛍光灯、そして、青ざめたノア…
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『回る回る運命の輪回る3 君と僕と、未来の世界』39話
もう街は明るくなってはいたけれど、まだ日の出にはもう少し時間がある。夜の青と、朝の橙が混じり合う時間。地面の近…
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『回る回る運命の輪回る3 君と僕と、未来の世界』38話
――そうして、7日目の朝。僕は静かな気持ちで目覚めた。窓の外はもう明るくなっていて、時計は4時半を指していた。…
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『回る回る運命の輪回る3 君と僕と、未来の世界』37話
――6日目。いまだにどうしたらいいのか、選択の糸口すらつかめないまま、ほとんど惰性で学校に行こうとドアを開ける…
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『回る回る運命の輪回る3 君と僕と、未来の世界』36話
――3日目、4日目、5日目。なにもしなくても、日々はあっという間に、何事も起きていないかのように、過ぎて行く。…
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『回る回る運命の輪回る3 君と僕と、未来の世界』35話
あかねさんの入院している病院は、車で一時間ほどの場所らしい。「新しい統括官代行の人が車、手配してくれたです」昨…
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『回る回る運命の輪回る3 君と僕と、未来の世界』34話
綾野さんから猶予をもらって、2日目――。朝、ちはるの家に行ったけれどやっぱり顔を見ることは出来なかった。そして…
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『回る回る運命の輪回る3 君と僕と、未来の世界』33話
「よお、お前、おたふくだったんだって? 大丈夫かよ、男子としては?」「局部が腫れていたなら、色々と、諦めたほう…
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『回る回る運命の輪回る3 君と僕と、未来の世界』32話
翌日はびっくりするような快晴だった。朝、久しぶりの学校に行くために家を出て空を見上げた僕は、思わず大きく息を吐…
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『回る回る運命の輪回る3 君と僕と、未来の世界』31話
3日ぶりに帰った家は、当り前だけど、ほとんど何も変わっていなかった。僕が正木さんたちに連れて行かれそうになった…
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『回る回る運命の輪回る3 君と僕と、未来の世界』30話
完全に頭が混乱していた。なんで、綾野さんがここに? もしかしてこの間みたいに腹話術師さんに操られて連れて来られ…
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『回る回る運命の輪回る3 君と僕と、未来の世界』29話
運転席から降りてきた人は、今日もいつもと同じスリーピースに身を固めて、きっちりとオールバックに髪の毛を撫でつけ…
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『回る回る運命の輪回る3 君と僕と、未来の世界』28話
「あなたは……?」「しがない、ソサエティの元工作員さ」リーさんの言葉に、眉をひそめていた腹話術師さんの顔に、理…
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『回る回る運命の輪回る3 君と僕と、未来の世界』27話
ソサエティの中でも、運命に対する考え方はいろいろあるらしい。運命を絶対視し、それを乱す不確定要素は即刻排除すべ…
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『回る回る運命の輪回る3 君と僕と、未来の世界』26話
洋館に来て、3日が過ぎていた。車に乗っている間は五十嵐さんの話に夢中になっていたし、それに外も暗かったから分か…
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『回る回る運命の輪回る3 君と僕と、未来の世界』25話
高速を降りた車はやがて、山道に入った。そこからさらに一時間少し、その建物の前で車が停まったとき、辺りはもう、真…