9月某日 定番

自分ではそれほど保守的な人間ではないと思っている(というか、思いたい)のだが、思わぬときに、自分の保守性があきらかになることがある。

アイスを買うときである。期間限定とか、新フレーバーとか、そういうものには手が出ない。ほぼ必ず、昔からある商品を選んでしまう。それはたとえば、「チョコモナカジャンボ」とか「ジャイアントコーン」とか、そういうものだ。甘いものをめったに食べないので、そのぶん、外したくないというか、分かりやすく美味しいものを食べたいという気持ちなのだろう。そして定番商品は、期待を裏切ることなく、美味しい。さすが定番、変わらぬ美味しさ。

そしてこの、定番、変わらぬ美味しさ、なのだが、考えてみれば、絶対に昔より美味しくなっている。パピコとか、久しぶりに食べたらびっくりするぐらい美味しかった。自分が馬鹿舌であるという自覚はあるが、目隠しして、高級なスプーンに載せて、「高級ショコラティエの作ったなんちゃらでございます」と口の中に放り込まれたら、絶対にパピコだとは思わない。高いやつ買わんでももうパピコでええやん、パピコやん、とすら思う。そして繰り返しになるが、昔のパピコはこんなに美味しくなかった。もっと、なんというか氷っぽいというか、水っぽかった気がする。きっとパピコは年年歳歳バージョンアップして、少しずつ少しずつ、美味しくなってきたのだろう。毎年毎年、下手したら数ヶ月単位で微妙に配合を変えたりしているに違いない。頭が下がる思いである。

ただ、これは本当に年寄りのノスタルジーなのだけど、ときどき、昔のあんまり美味しくないバージョンのやつも食べたいな、と思うことがある。たとえば、通ってた学校の近くにあった駄菓子屋の、巨大な冷凍ボックスに入っていた、ちょっと皮がしなっとしたようなアイスもなかを食べてみたい。それは味云々ではなく、たぶん、もう二度と食べられないからそう思うのだろう。


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