先日、ひとりでしゃべってる人をよく見かけるようになった、ひとりでしゃべってる人はちょっと怖いね、ということを書いた。そうするとますます、ひとりでしゃべってる人が目に付くようになった。気付いたのは、同じひとりでしゃべってる人でも、様々なタイプがいるということである。
・堂々型
コールセンターのヘッドセットのようなものを着用し、しゃべる気まんまんである。そんなにしゃべる気まんまんなら、どこかに腰を落ち着けてゆっくりしゃべればいいのに、と思うが、なぜか歩きながら、堂々としゃべっている。ア、電話しているのだな、ということは一見して分かるし、なんなら何の話をしているのか筒抜けなので、少しも怖くはない。ただ、腹立たしい。
・こそこそ型
堂々型と対を成すのがこそこそ型である。こちらは、周囲に気付かれないよう、必死に心を砕いている。マイクも目立たないようなものなのだろう、口元を隠し、話し声も小さい。視線も伏しがちで、歩くのも早い。周囲への気配りなのであろう。ただ、ここでも堂々型の人に対するものと同じ疑問が芽生える。そこまで気配りするならなぜ歩きながら電話をするのだ。服装も目立たない格好をしている人が多いので、スパイのパラノイヤのようにも思えて、ちょっと怖い。
・小道具型
ひとりでしゃべってることに、小道具がプラスされた形である。先日見かけた女性は、ベビーカーを押しながら、ひとりでしゃべっていた。ベビーカーは無人で、荷物すら載っていなかった。特に暗い顔をしているとか、めちゃくちゃ痩せているとか、そういう風体ではなく、ごく普通の人で、普通に電話をしておられた。ただ、押しているベビーカーだけが無人であった。
・スーパー特化型
意外とひとりでしゃべる人を見かけがちな場所がスーパーである。何を買うのか、（恐らく奥さんに）指示を仰ぐ人、「せやから言うたやないか、この店のほうが安いねん！」と何か知らんけど怒っている人。売り場を回遊するように歩きながらまったく買い物をする気配もなくただしゃべってる人、等々。とても明るい場所なので怖くはないが、電話の相手と揉めてる人が多いというのが特徴である。電話の相手が仕事相手などではなく、家族だからか。不思議なことに、デパートではこういう人はあまり見かけない。
とまあ、このように色々なひとりでしゃべる人がいるが、先日見かけたのは、くねくね踊りながらしゃべっている人である。話の中身は聞こえてこなかったが、あれは電話をしていたのかどうなのか。
あと、よく見てみると、ひとりでしゃべっている人の年齢層は、結構高い。携帯が出始めのときに「歩きながら、携帯電話で話をするのはみっともない」という経験を経ている世代のはずなのに。一方、若い人はあまりひとりでしゃべってはいない。なぜだろうか。