先日、用事があって心斎橋に行ったところ、イルミネーションが点灯していた。先日、「緑の怪光線」の項でお伝えしたあのイルミネーションである。普段、わざわざイルミネーションを見に出かけて行くようなことはないけれど、見ればなかなかきれいなものである。というわけで、しばらくその場で足を止めて眺めていたのだけど、その間、何人もの若い人たちが、動画を撮影しながら通り過ぎて行った。
素直に、すごいな、と思った。
もし、今、十代後半だったら、イルミネーションを背景に自分の動画を撮影するだろうか? そしてそれをインスタに上げて不特定多数の目にさらす?
たぶん、無理だ。そんなことをした日には、あれを誰かが見たのではないか、そのことでからかわれるのではないかなどと益にもならないことを延々と思い悩んでしまうことだろう。なにより、イルミネーションを背景に映した自分の動画などを見たら、恥ずかしさのあまり発狂するかもしれない。
しかし、友達同士で動画を取り合っている若い人たちは、本当に屈託がなく、楽しそうであった。
自分が若い頃、年上の人に「最近の若いものは分からない」的なことを言われた。自分とは感覚が全然違う、と。今、動画を撮影している若い人たちを見ると、その年上の人の言いたかったことがなんとなく分かる。それは良し悪しではない。ただ、「違う」というだけだ。これからますます「あ、違う」ということは増えて行くのだろう。それを味わうことが、実はちょっと楽しみである。